愛した名前



「じゃあ、また今度の練習でね!ばいばい」


みつきちゃんは手をふって、私たちと反対の方向へと歩いて行った。


「さきたちも帰ろ!」


私はけいの手を握りなおし、歩き始める。




途中でけいが言った。


「良かったな」


「え?」


気分ルンルンな私を優しく見るけい。


「さきって、新しい友達できたら凄い喜ぶ子よな」


あ、確かに・・・。


「だって話したことない人と仲良くなれたら、なんか嬉しいじゃーん!」


私は重いバドミントンのバッグをしょいながら、スキップする。


「さきってめっちゃフレンドリー」


そう言って笑ったけいの顔が、凄く優しい。