愛した名前



確か、この子は部長さん。


あの、負けず嫌いな・・・


「あ・・・!」


私は部長の右手を見てはっとした。


「それ、さきのじゃ・・・」


プーさんのタオル。


「それさきのじゃ・・・じゃないでしょ!もう、自分の物は責任もたなきゃ駄目でしょ!」


あまりにもド迫力な部長に私はけいと一緒にびっくり。


「あ、ぇと・・・すいません・・・」


私は一度頭を下げる。


「あ・・・いや、ごめんね!いきなり怒鳴っちゃって・・・も~、なんか、変なくせなんだよね・・・。」


部長は、はあ・・・とため息をつくと頭をかいた。


私はけいと目をあわせて笑った。


さっきの部長とは大違い。


「いいんですよ、先輩♪」


怖い人かと思ったら、そうでもないんだね。


なんか、仲良くなれるかも。


「あ、はい」


そう言ってタオルを渡してくれた。


「ありがとうございます!」


「うん。あ、あと・・・先輩じゃなくてみつきで、いいよ!高校は、違うしさぁ」


照れくさそうに言った。


私は嬉しくて笑顔になる。


『仲良くなれるかも』


予想的中!♪


「じゃあ、みつきちゃんて呼びます!一応は年上なんで」


私がそう言うとみつきちゃんはコクリと頷いた。