愛した名前



「告っちゃいなよ!」


私はたくとの肩をつつく。


「はあ?本当にさき馬鹿だよな。振られたらそれで終わりじゃん」


たくとは「わかってねぇな~」と首をふる。


「あのね、わかってないのはたくとだから!」


私はいきなり立ってたくとを上から見下げて言った。


たくとはよくわかっていない様子。


「あのね!たくとは告らなきゃいけないっていう、義務があるの!」


「・・・?」


キョトンとするたくと。


「だあかあらあ!これは、さきからの命令!明日みとりちゃんに告りなさい」


私は偉そうな口調で言った。


そんな私をたくとはきちんとわかってくれる。


「あーあ。振られたらさきのせいだからな?」


たくとは諦めた感じに、ふっと笑って言った。


「やったー!たくと、頑張ってねぇ。へへ」


私はついニヤけてしまう。


でも、これでみとりちゃんの恋が実るんだ。


良かった~。


私は笑顔でたくとと告白の練習をした。