愛した名前


休憩中、人の試合を見に色々なところへ動く癖がある私は今日も動く。


「たかすぎさきさんですよね~??」


その途中、後ろから私を呼ぶのが聞こえた。


私は後ろを振り向く。


振り向くと私と同じくらいの背の男の子。


「はい、俺のアド♪」


いきなり紙を差しだす男の子・・・。


私は何も言わずにその紙を受け取る。


「ぇっと・・・俺、***中2年の桜井晃。」


「あー、」


私は呆然とその紙を見つめる。


「じゃ、メール待ってるよ」


そう言って彼は立ち去って行く。


「メールとか・・・しねーし」


私は見知らぬ男の背中に向かってアッカンベーをした。


私、今さ、崎野慶君しか興味ないんで。