―――「んーっ、あのおばちゃん先生説教長すぎ~」
たくとはのびをして私の横で言った。
「・・・ねぇ、たくと・・・、たくとってもしかして・・・」
私は、前を見ながら真面目な顔をする。
たくとはひとつため息をする。
そして周りを見回して私の腕をつかんで廊下に座らせる。
「ちょっ、何?」
「あのさ・・・ぜっっってぇ、誰にも言うなよ?」
「は?」
真剣な顔をするたくとに私は首を傾げる。
「俺・・・有澤が・・・す、き・・みたいで・・・その、えっと・・・」
真っ赤なたくと。
こんなたくとを見るのは、初めて。
それに・・・みとりちゃん、両想いー!
たくとに好きな人ができたことにも、みとりちゃんとたくとが両想いになれたことも、自分のことのように嬉しい。

