バスに乗って10分くらい、けいとの約束の場所に着く。
長い足で立ちながら、大好きな手で、細い目で携帯を見てる。
私の、運命の人、発見!
私は一人でニコリと笑う。
大好きな人が、あそこにいる。
私は駆け足でけいのもとへと向かう。
後ろから脅かそうと、近くに行くと、少しゆっくり歩く。
そっと、けいのさわっている携帯をのぞきこむ。
けいが打っている文字が見えた。
『俺はさきを信じる。だから俺らに関わんな』
・・・?
俺はさきを信じる・・・?
ありがと・・・
って、そうじゃなくて、何がどうしたの?
俺らに関わんなって・・・?
誰とメールしてるんだろう・・・。
私がボーっと立っていると、けいが後ろを向いた。
「おぉさき、いつからいた?」
笑ってる顔が少し寂しそう。
・・・。
「誰にメールしてたの?」
気になって聞いてしまった。
一瞬だけ、けいの顔つきが変わった気がした。
けど・・・気のせい?

