「何度か同じ車両になった事あるし?」


…へっ?


「嘘だ〜

だって一度も見かけた事ないよ」


「携帯触ってんのよく見かける」



―――…あっ!…あぁ〜


そういえば朝は携帯小説読むのに
時間費やして周りなんか
見てなかったな。


暇つぶしに読み始めたのに
気付けばはまってて…。


「なら声ぐらいかけてよね〜」


「だな」

いつもと同じクールな口調だけど
今までみたいに
苦手だと感じなくなってて
何だか損した気分。


第一印象で決めつけちゃってたんだろうなぁ…。


初めて岩瀬君と会ったのは
フジモの家で…


「光石真音(ミツイシ マオ)
みんなにはミィって呼ばれてるんだ
よろしくね」


そう笑顔で挨拶したのに

岩瀬君は素っ気なくて。


「岩瀬奏汰(イワセ ソウタ)

光石さんよろしく」


って無表情で言われて


あぁコイツとは絶対に

合わないし

合いそうにないな

そう瞬時に思ったんだよね。