「分かりました。それじゃあ少し時間をいただきますので、どこかで時間つぶしてきてもらっていいですよ。」



おじさんはにこやかに言うと作業に取り掛かり始めた。



“A”は私の名前の頭文字。


先生が私にくれた万華鏡には先生の名前…


宏介の“K”が彫られてある。


だから、私も先生に渡す万華鏡に名前を入れたいな…


そう思った。


先生…渡した時に気付いてくれるかな…?


今から楽しみだ。


店内の可愛い小物や万華鏡を見ているうちに、作業は終わり、おじさんが声をかけてくれた。


「こんな感じになりましたが、どうですか?」


万華鏡に彫られた“A”はデザイン的で、素敵だった。


「とってもいいです!ありがとうございます!」



おじさんは、微笑むと、オシャレに包装をしてくれた。


水色の包装紙に白いリボンがかけられた小さな箱。



先生に早く渡したいな…。