「コーヒー、大丈夫か?」


「はい…。」



そう言うと、先生はコーヒーを二つ、テーブルに置いて座った。



いつもだったら、一週間も話してなければ、話したいことがいっぱいあるはずなのに…。



何を話せばいいのか分からない…。



少しの間、私たちは沈黙になってしまった。





「今日…雪がしんしんと降ってるな。」



しばらくして、口を開いた先生は半分ほどカーテンの開いた窓を見た。



「そうですね。積もるかも…。」



私も窓の外を見つめた。



もう外は、だいぶ暗くなってきている。



あんまり遅くならないうちに帰らなくちゃ…。



せっかく先生が呼んでくれたんだし、時間は大切にしないとね…。



コーヒーを一口飲んだ後、私は先生に、登校日の学校での出来事など、取り留めもないことを話した。



何を話したらいいか分からないけど、黙っていると心が押しつぶされそうな気がして、怖かった。



いつもなら自然と笑顔になれる私も、今日は意識して笑顔をつくるのが精一杯。



…でもこれでいい…よね?