「声…届いてましたか?」


「もちろん!!あっ!サインしたの気付いた?」



「はいっ!ちゃんと分かりました!」



私は、にっこりと微笑んだ。



二人きりの時間。



先生が私だけの先生になってくれる…!




「そういえば、決勝の時に隠れて応援してたよな。」


「先生、気付いていたんですか?」



ちょっとびっくり…。気付いていないかなあって思ってたんだよね…。



「当たり前じゃん。愛菜には俺の試合…見ててもらいたいし…。でも、なかなか見つからなくて試合中しばらく探したんだぞ。」



そうだったんだ…。探してくれていたんだね…。



「でも、姿を見つけた時は嬉しかったなあ。“頑張れ”って声が何となく聞こえてくる気がしたよ。それで元気をもらえたんだ。」



先生は照れくさそうに話した。



隠れて見ていたのに、すごいよ先生…!



心の声も届いたってことだよね。