「目、開けていいよ。」



優しい声の合図で、ゆっくりと目を開けた。



わぁ…!



目の前に、ガラスケースに入った赤や白のバラのフラワーアレンジメントが飛び込んできた。



「愛菜、誕生日おめでとう。」



先生は微笑みながら私を見つめた。



誕生日…?





あっ!!そうだった…!



今日って私の誕生日だったんだっけ。



「その顔からすると、自分の誕生日忘れてただろ?」


ニヤリと笑う先生に“はい…”と頷くしかなかった。


進路面談のことしか朝から頭になかったんだよなあ…。



全然意識してなかったよ…。




…あれ?




先生、なんで私の誕生日が今日だって知ってるんだろう…??