「ごちそうさま!美味しいお弁当ありがとな。愛を感じたよ。」



頭を撫でられて、私はついニヤけてしまった。



ちらり先生の机を見ると、休み明けからの授業で使うらしい資料が積まれている。



「先生、お仕事大変そうですね。無理しないで下さいね。」



「ありがとう。愛菜の笑顔が元気をくれるから俺は頑張れるよ。」



隣のイスに座っている私の肩に手を回して抱き寄せた。



そんな風に言ってもらえるなんて、私って幸せ者だなあ…。



あまりの嬉しさで心がどこかに飛んでいっちゃいそう…。




「愛菜、今日のお祭りだけどさ、現地待ち合わせでいいのか?俺迎えにいくぞ?」



先生は心配そうな声で聞いた。


「大丈夫です。真夜中じゃないし…。」



「分かった。待ち合わせは6時だよな?」 



「はい!あ…じゃあ私、一度家に戻ります。」



空になったお弁当を紙袋に入れて立ち上がった。



「じゃあ後でな。」



微笑みながら見送る先生に手を振り、私は学校を出た。