もう完全に青葉になった垂れ桜の下。



朝日を浴びて立っている男性が一人…。



もちろんすぐに誰か分かる。



入江先生…!



無意識のうちに駆け足になっていた。


「先生!おはようございます!」


手を振りながら笑顔で挨拶をした。


「おはよう!愛菜。なんか学校で交わす挨拶みたいだなあ…。」


先生も爽やかな笑顔だ。


「先生、待たせちゃってすいません。」



「愛菜は時間通りだよ。俺が早く来すぎたんだ。少しでも早く愛菜に会いたいと思ってさ。」



朝早くから、胸をときめかせる言葉を言ってくれる先生。



今からこんなにドキドキしちゃって、今日一日心臓がもつかなあ…。