フカキコカゲ

 黒々と横たわる山々。書き割りのような青空、入道雲。水平線。そして、心地よい孤独。シーズンオフの観光地は、季節外れの猛暑に夢の続きを引き摺る。
 遅れてきた夏。全ては「私」のものだった。