「じゃ、遠慮なく俺のものにする。」



俯いていた私の顎を長くて綺麗な指で持ち上げその顔を近づけたんだ。




顔なんて見てなかった。

砂を踏みしめるサクサクと言う足音。


大きな掌の上に置かれたマカロン。


その先に見えるボロボロのスニーカー。


それだけが私の瞳に映ったものだった。




でも顔を上げて飛び込んできたのは柔らかく微笑みを浮かべる整った顔の若い男だった。