「お前どこから逃げてきたんだ?」 低いけれど透き通ったお腹に響く声。 怒鳴りつけられるのではなく穏やかで優しさの感じられる話し方だった。 「家。」 「自分のか?」 「私に家なんてないもの。」 「そっか、なら俺がお前をさらっても誰も何も言わねぇよな。」 私を誰かに連れ去られてもアイツらは喜ぶだろうな。 やっと厄介払いが出来たって喜ぶに違いない。 「うん。誰も私を探さない。」 だから今すぐ私を殺して…。