「話が前に進まねぇからそのたくましい想像力抑えてくれ…」


裏手で肩を叩いて定番の「なんでやねん」ツッコミを繰り返すマツが私の頭で大暴れしていた。


「おいっ!!
聞いてるのか?!」


マツに大きな声で怒鳴られるまで私の頭は芸人マツに占領されていたんだ。


「ゴメンナサイ。」


「とにかくだ!
マーフィが親父と俺2人居たらややこしいだろ?だから親父はマイ俺はマツ。
そう呼ばれてるんだ。」


お父さんがマイさん。

ふふ…
女の人の名前みたい。

王様でマツのお父さんでマイさん…

むくむくと妄想ワールドが広がろうとする思考を止めるようにマツの冷たい視線と声。


「それくらいにしておけよ。」


頭の上から降ってくるその声に私の体にピリリと緊張が戻った。