「お前の大事なマツに逢わせてやるよ。」 料亭を思わせる和風の造りに似つかわしくない重厚なドアの前に立ち男はニヤリと不敵な笑みを浮かべて言ったんだ。 ごくり―― 男の手がドアノブにかかるのを見て私は緊張感から唾を飲み込んでドアの開くのをジッと見据えていた。 マツがいるの? このドアの向こうに… マツの胸に飛び込みたい。 マツの腕に抱かれたい。 早くマツのぬくもりに包まれたい。