泣きながら声を荒げる私。
ティルは変わらずテーブルの上で小さい体を反り返して腰に手を当てている。
なんだかとっても偉そうに見えるその姿にムカムカと腹が立つ。
「遥夢は騎士殿を最後まで信用しきれるのか?
バカヤロー。」
不敵に笑いながら私に話し掛けるティル。
「私にはマツしかいないの。
マツは私の心を救ってくれた人…。
苦しい時に側にいてくれて私を支えてくれたマツを疑う気持ちなんて持てないわ。
それに、マツがもしも私以外に大切な人が出来たら私はマツから放れて生きる覚悟も持ってるわ。マツが幸せに生きることが私の幸せなの。
隣にいたいけど、マツを幸せにするのが私でないのなら彼から放れて祝福する覚悟を持ってこの世界に来たのよ!
彼を縛り付けるために、私は一緒にいるんじゃないもの!」
そう…――。
マツは私を守ると言ってくれた。
ずっと側にいると約束してくれた。
だけど、私はマツに全てを委ねて生きることはしないと誓ったんだ。
お互いがお互いを支え合えなければ、一緒に生きていても足手まといになるってわかっている。
マツの足枷になりたくない。
お荷物にはなりたくないんだもの…。
「離れることもお前は愛だと言うのか?バカヤロー!」
「それがマツの為なら、愛だわ。」
落ち着いた静かな心でティルに向き合って私は応えた。
縛り付ける愛なんて私はいらない。
マツを縛り付けるなんて私には出来ない。
「合格だ。バカヤロー。」

