全く話がよめない上に、どうしてもティルの言葉の最後にバカヤローとつくことがとても気になっていた。
見た目はとっても可愛いのに、言葉遣いがちょっぴり私を苛立たせる。
「ねぇ?
どうしてバカヤローって最後に必ずつけるの?」
「それは癖だ。バカヤロー。」
「あんまりいい感じしないよ?」
「仕方ないだろう。バカヤロー。」
「バカヤローってつけなきゃ話せないの?」
「そうだ。バカヤロー。」
「あなたねぇ!
直そうとは思わないの?バカヤローなんて聞いてる方はとっても不愉快だよ?!」
「俺様のバカヤローはお前にしか聞こえないんだよ。バカヤロー。」
「………。」
私にしか聞こえない?
「意味がわからない…。」
なんだか話す気になれなくて黙り込む私にティルは、
「俺様の本当の言葉を聞くことが出来るのは伝説の乙女だけだ。
他の者には綺麗に変換されて聞こえている。
バカヤロー。」
羽を羽ばたかせて私の肩に乗ると耳元で話しかけてきた。
「私も出来れば変換されてる言葉を聞きたいよ。」
溜め息混じりに言葉を返すと、
「それは無理だ。
諦めるんだな。バカヤロー。」
ティルに胸を張って応えられた。
ティルとの会話に少しげんなりとした私は部屋に置かれている椅子に腰掛け、テーブルに肘をついてうなだれるしかなく、
「もう仲良くなったのですか?」
部屋に入ってきたさっきの男の人の言葉に驚いて顔を上げた。
仲良くなんてなれそうにないよって言葉を飲み込んで黙り込む私に、
「私はこの店の店主でアルバートと言います。
アルで結構ですよ。
ようこそおいで下さいました遥夢様。」
手にしていたティーセットをのせたトレーをテーブルに置いて優雅にお辞儀をしながら話しかけられた。

