マツに抱きしめられると安心するんだ。
マツのぬくもりを感じながら背中に腕を回してギュッと抱きつくとマツも私に応えるように抱きしめる腕に力を入れてくれる。
マツの顔が見たくて顔を上げて上を見るとマツも私とは逆に自分の胸元に視線を落として私を見てくれる。
マツのグレーの瞳はさっきまでと違って凛とした輝きをその奥に覗かせていた。
「おらおら!!
見つめ合って確かめ合うより早く話せよっ!!」
私達の甘い雰囲気をぶち壊すのはディアス。
彼は私の背中越しにマツに声を掛ける。
大きくて遠慮のない彼の言葉にマツは大きくため息を吐いたんだ。
「ディアス、ちょっとでいいから消えてくれ。」
「いやだね!待ちくたびれたんだ、早く始めようぜ。」
迷惑そうに話すマツの表情は優しい。
「お前が消えないんなら俺達が消えればいいんだし…」
「てっ…てめぇっ…」
マツはディアスにニヤリと笑いかけながら掌を空に向けたんだ。

