キョロキョロと部屋中を見渡してみてもテーブルセットとソファー、それに見慣れない楽器が一つ置いてあるだけのスッキリとした部屋。
だけど確かに声が聞こえた。
空耳?
幻聴?
けど…。
「浮気か?コノヤロ―だっけ?」
聞こえた言葉を口にする。
マツが大好きで、ほんの数時間前まで一緒にいたのに寂しくて、恋しくて仕方ない私が浮気?
考えるとなんだか少しおかしくなって、
「くすくす…」
私の口からは小さく笑いが漏れていた。
だけど、その笑いがすぐに止まったのは、
「笑うな!コノヤロ―!」
今度は耳元で声がして驚いた私の膝はガクガクと震え出し、力の入らなくなったその膝を折って床に跪いた。
「なに?誰かいるの?」
誰もいないのに声だけが聞こえる恐怖。
ブルブルと震える体を自分で抱き締めると聞こえてきたのはプーンという羽の音。
「虫?」
けど虫が喋るなんて…。
ありえないし、怖いよっ!!

