力の制御だの
器だの…
「面倒臭ぇ…。」
頭を抱えて俯く俺に、
「やらなきゃ遥夢と一生イチャイチャ出来ねぇだけだし…。」
ディアスは意地の悪い言葉を投げかけてくる。
「やらねぇなんて言ってねぇだろ!」
俺だって早く遥夢と一緒に過ごしたい。
その気持ちは絶対に変わらない。
「さっさと始めようぜ。」
今回ばかりは逃げたところで何も解決しないって悟った俺は二人の訓練を受けることにした。
逃げるのは俺の十八番(オハコ)、ずっと逃げることだけで生きてきた。
けど、遥夢と出逢ってからは俺はどんなことからも逃げねぇって決めたんだ。
「珍しくやる気じゃん?」
ニヤニヤと笑いながら話すディアスに、
「遥夢を人質に取られてやる気出さねぇわけにはいかねぇだろ?」
半分は照れ隠し、半分は本音の言葉を吐き出した。
騎士の力に興味がねぇ訳じゃない。
今までずっと逃げることで自分を守ってきた俺が騎士とやらになれれば国を守る存在になれる。
誰と争うていうことではなく、唯一の存在。
許されるなら、俺は今から変わりたい。
俺に関わる全てのものを守る力を得たいんだ。
もちろんそれは遥夢を守るというのが一番だが、今までずっと欺き裏切ってきた俺の周りの人達にも感謝と謝罪の気持ちを込めて、新たな自分に生まれ変わっても罰は当たんねぇって思うんだ。

