ベッドにツカツカと歩み寄り、私の体をマツさんから引き剥がすようにして腕を引き抱き止めるデリーさん。
「デリー、お前こそ何様のつもりだ!
遥夢を返せ!」
激しい口調で話し掛けるマツさんの声に私はビクリと肩を跳ねさせた。
「何様ってデリー様ですわ。
さぁ遥夢、顔を洗いに行きましょうね。」
だけど、デリーさんはマツさんを軽くあしらって私の手を引きクローゼットに向かう。
「お兄様、準備をお願いしますわね。」
振り返り、ディアスさんに声を掛けると、クローゼットの中からピンクのワンピースを手に、洗面所の扉に手をかけた。
洗面所の中に入って、デリーさんは大きなため息を吐き出しながら、
「マツにも困ったものですわね。
今までの分取り戻そうとしているのかしら。
無意識って怖いですわ。」
独り言を落とす。
彼女の言葉の意味が理解できない私は首を傾げデリーさんを見つめるけど、
「何でもないんですのよ。」
ニッコリと笑って身支度を手伝ってくれた。

