「あの!…ごめんなさい。寝過ぎちゃって…。」


マツさんを跳ね飛ばす勢いで起き上がった私はデュランさんに言葉を掛け、


「マツさん、お腹がすきました。
せっかくだから頂きましょう。」


眉間に深い皺を刻むマツさんにも声を掛けて彼の手をギュッと握ったんだ。


怒ってるマツさんは朝食なんて気分じゃないかもしれない。


だけど、私達は今、ここにお世話になる身。


「マツさん…。」


怒らないでって思いを伝えたくて、彼と目を合わせてもう一度繋がれた手に力をいれた。


マツさんは私の手をギュッと握り返してくれて、

「腹減ったな。
昨日1日なんも食わずに寝てたんだから当然か…。」


落ち着いた口調で話し、

「オッサン、飯はここに運んでくれんじゃねえの?」


デュランさんにも話し掛けた。


「すぐに準備いたします。」


扉を開きながら話すデュランさん。


同時にワゴンを押したデリーが部屋に入ってきた。


デリーの後ろにはディアスの姿も見えた。


「おはよう。マツ、随分と偉くなったものですわね。」


ワゴンをテーブルの横に止めて、マツさんに話し掛けた。


「デリーさん!
ディアスさん!」


昨日、突然姿を消した二人の突然の訪問に私は驚きと喜び、両方の気持ちで声を上げたんだ。