「お取り込み中申し訳ありませんが朝食の準備が出来ました。」
寝起きからマツさんに翻弄され続けた私の耳に飛び込んできたのは、とても遠慮がちなデュランさんの言葉とマツさんの舌打ちの音。
いつから部屋にいたの?
驚きすぎて体がかたまった私は指一本動かせる力もなく、けれど瞼は動かせたみたいでギュッと瞼を閉じた。
「気がきかねぇ奴だな。」
でも、マツさんは余裕タップリに私の髪を指で弄びながらデュランさんに言葉を返していた。
「何度もノックして声を掛けたんですけど…。」
「だったらわかるだろ?」
「はぁ…」
「せっかくいい雰囲気だったのに…邪魔しにきたのか?」
「そういうのは夜にお願いします。」
「ずっと寝てたんだから仕方ないだろう?」
「夜はまた来ます。」
余裕がありませんねってのらりくらりとマツさんの言葉を交わしていたデュランさんが急に攻撃的な言葉を落とした。
「なに!」
途端に不機嫌な表情を浮かべるマツさん。
なんだか空気が重い。

