「うぎゃっ!」


目が覚めるとマツさんの綺麗な顔がドアップで瞳に飛び込んできた。


奇声をあげたのにマツさんは規則正しく呼吸をしていて目を覚まさなかった。


よっぽど疲れてるんだね。


上下に動く胸にそっと耳をあてた。


トクントクンと胸の音が聞こえる。


「ずっと一緒にいたい。」


マツさんに言った言葉をもう一度口にする。


それだけで、胸の中があたたかくなる気がした。


「遥夢…」


マツさんに強く抱き寄せられた私。


「む…ムギュッ…くる…し…。」


もがいても彼の力は強くて、その腕の中から抜け出す事は出来なくて観念した私は彼の腕の中でじっとおとなしくしていた。


「なーに人の顔見て変な声出してんだよ。」


だけど、くすくすという笑い声と一緒に聞こえてきたマツさんの声。


「え?…」


起きてたの?


「いつから?
……いつから起きてたの?」


「ん――…。さっき?」


「さっきって?」


「うぎゃっ!から。」


って…


最初からじゃない!