「研究所内であれば自由に行動して頂いてかまいません。」


部屋に案内すると言われ、俺と遥夢はデュランの後に続いて歩く。


「部屋は別々がよろしいですか?」


「同じ部屋を使う。」


デュランの言葉に俺は即答した。


遥夢を一人になんて出来ない。


まだ俺はお前らを信用していない。


俺の返答に溜め息をついたデュランは、


「そんなに警戒しないで下さい。」


悲しそうに呟いた。


「昨夜寝てない遥夢をもう休ませてやりたい。
早く部屋に案内してくれ。」


デュランの表情に俺の胸はチクリと痛んだ。


でも、瞼を重そうに持ち上げる遥夢の限界は近い。


俺は遥夢を何があっても優先したいんだ。


「ここです。
ですが、この部屋はベッドが一つしかありません。」


困ったように話すデュラン。


俺は何も困らない。


つぅか好都合?


「あなた様が良くても遥夢様は?」


「うるさいぞ!
つぅか、お前ら俺の考えてることがわかるのか?気持ち悪ィからサッサとと部屋から出て行けよ!」


ふらつく遥夢をベッドに座らせて、デュランを部屋から追い出した。


まずは着替えっと…


備え付けのクローゼットを開けて中を見ると、ギッシリとつめられた服。

「ここじゃねぇ。」


フォーマルからカジュアルなものがズラリとかけられているがパジャマに出来そうな服は一枚もない。


バスルームか?


部屋の奥にある扉を開き中をのぞき込む。


そこに、ピンクのパイル地の部屋着を見つけた。

「遥夢、これに着替え…ろ。」


つぅか寝てるじゃねぇか。