「どういうつもりですの?」


遥夢を抱きしめ彼女のぬくもりを堪能する俺の至福の時間を邪魔するのは仁王立ちのデリー。


「デリーを受け止めるのは無理だ。」


俺は真面目に応えた。


「上等ですわ。」


俺を睨みつけるデリーが掌を俺に向けた。


「よせ!デリー。」


ディアスの驚いたような声が聞こえてきて、俺はデリーに向かい掌をかざした。


「覚悟はよろしくて?マツ」


デリーの掌に光が集まる。


俺は遥夢を背中に隠して掌に神経を集中させた。

体中に何か沸き立つような力を感じた俺は掌からその力を解放する。


その瞬間デリーからも光が放たれ、俺の光とデリーの光がぶつかって弾け飛んだ。


エントランスに響く爆音。


とっさに遥夢の体の上に覆い被さるようにして俺は遥夢を守った。


「お見事です。マツ様。」


デリーの後ろから手を叩きながら現れた男。


「誰だ!」


つぅかいったい何なんだ!


急に攻撃を仕掛けてきたデリーもどうしたっていうんだ。


「デュランでございます。」


「知らねぇ。」


「私はよく存じ上げております。」


「俺はお前なんて知らねぇ。つぅか…お前見てるとなんかムカつくし、知り合いたくねぇ。」


「そうでも、あなた方はここでしばらく過ごして頂かなければなりません。
これはこの国の長の通達。
従って頂きますよ。」


デュランと名乗る男は書状を広げて俺に見せるとニヤリと笑って告げた。

「長の命令だ?!」


デュランの態度にもイラつくが長という言葉に過剰な程反応する心。


「マツさん、従いましょう。」


震える俺の背中に抱きついて俺を静止する遥夢。

遥夢のぬくもりが俺の高ぶった感情を抑えてくれた。