デリーと遊んでる暇が俺にはあったのか?
遥夢、お前に逢いてぇ。
「なぁ、遥夢のこと聞かせろよ。」
ディアスとあの家にいるんだろ?
遥夢の事だ。
アッサリ記憶を預けるなんてしねぇ。
だったら悪夢を見たんじゃねぇのか?
逃げても逃げても何かに終われるあの夢を…。
境遇は違っても遥夢も同じ夢を見て育ったはずだ。
その遥夢があの家に巣くう俺の負の感情を感じながら生活するのは辛すぎる。
「その通りですわ。」
「あ゛?」
「悪夢を見ましたのよ。」
「ディアスは何してたんだ。」
「お兄様は眠る前にきちんとお話をなさいました。」
「そうか。」
「でも遥夢さんが聞いてなかったのですわ。」
「意味ねぇじゃねぇか!」
「ホント、困った遥夢さん。」
そっちか!
遥夢なのか!
喉まで出かかった声を飲み込んだ。
デリー相手にまともな会話を望むのがそもそもの間違いなのだと必死で自分に言い聞かせた。
「でも、もう夢は見ませんわ。」

