俺は情報を掴むため、彰人と一緒に世話になったマスターに逢いに行った。
遥夢を1人ベッドで寝かせ、屋敷を抜け出した。
俺と彰人しか知ることのない隠し扉を開いて外に出る。
「万が一が役に立つとはな…。」
備えがあればいざというときに困ることはない。
慎重派の彰人が作った隠し扉。
本当に使う日が来るとは思っていなかった。
彰人と一緒に働いた小さな食堂。
マスターに辞めると話したときはアッサリと承諾をしてもらい驚いた。
だけど俺が辞めても困らなかったんだよな。
彰人の母親が魁夢の所を辞めてマスターの店で働く事になってたんだ。
古くて小さな店。
デミグラスソースの匂いが漂い、懐かしさが込み上げる。

