含みのある俺の言葉に竜一は何かを悟ったのか口の端だけを持ち上げて笑いながら遥夢に視線を向けた。


「この薔薇がお前の手で蘭にねぇ…。」


「飼育と言うよりは躾になるだろうな。」


クツクツと喉の奥で笑った後ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべる竜一。

俺達の会話の意味がわかったのだろう遥夢はその表情を強ばらせた。


「俺が竜一のそばにいなくても、誰もお前にはもう逆らえないだろう?」


「ああ、それに今は遥夢が一番の要注意人物だ。」


「それは俺に任せて、お前はこの女が蘭になるまで別の女で遊んでろ。」

「女に不自由はしてねぇよ。
けどよ、遥夢初めてなんだろ?
勿体ねぇな…。」


「初めてなんて煩わしいだけだ。
心配するな、俺がちゃんと開花させといてやる。」


馬鹿竜一。

遥夢はもう既に俺が開花させた蘭の花だ。


お前に触れさせないための口実にまんまと騙されてくれた。