俺は竜一に接近するために、温室の秘密を明かした。


「俺を雇って欲しい。」

「仲村彰人と一緒にいたお前を俺がそばに置くと思っているのか?」


「俺は彰人についていたわけじゃない。
権力と金を持つ者だけが俺にとっては主と呼べる唯一の存在。」


口から出任せでも苦しかった。

彰人を救うため、遥夢を守るためには仕方がない。

そうは思っても竜一に仕える選択に心が冷たくなるのを感じずにいられなかった。


「遥夢を手に入れたアンタは大きな権力を手に入れたも同然。」


「お前ッ!なぜそれを…!!」


「知っていたさ。」


驚く竜一に俺はニヤリと余裕の笑みを浮かべて見せた。


そして、温室の管理を俺がしていた理由を打ち明けた。


「俺はただの庭師じゃない。」


意味深にたっぷり含みを持たせて話を切り出す。

「種明かしをしてもらおうか。」


考えの浅い竜一を釣るのは簡単だった。


モニター室の事を告げる頃にはすっかり俺を信用していた馬鹿な竜一。


「お前が俺に不利な映像を消去しろ。」


騙されているなんて微塵も感じさせない竜一の態度に俺は心の中で小さく笑った。