「遥夢を迎えに行ってくる。」
スーツをキチンと着こなした彰人が運転手と共に屋敷を出発した。
遥夢の住む場所からここまでは自転車でも移動が出来る距離だ。
それを数時間かけて移動する。
屋敷が近いと遥夢にはわからないようにするためだ。
地獄のような日々を過ごした屋敷から遠く離れた場所にいると思わせてやりたかった。
すぐ近くに自分に酷い事をした男が住んでいるという現実を隠してやりたかった。
だから彰人に頼んだんだ。
深夜の移動にして時間をタップリかけて欲しいと…
深夜に長時間車に揺られれば遥夢はきっと眠るだろう、そう予想して頼んだんだ。

