何も考えてなかった。


遥夢を連れ出した後のことも、何も考えずに俺は歩き出そうとしていた。

感情のままに俺は動いていたんだ。


だけど、そんな行動を見かねて彰人の母親が姿を現した。


俺を見つめる彰人の母親の瞳は俺の軽率な行動を責めているかのようにまっすぐで、俺はその瞳を見ることは出来なかった。


遥夢の手を放し、遥夢から距離を取って俺は彰人の母親と話をした。


「すいません。」


暴走を止めてくれて良かったのかもしれない。


今の俺では守りたくても遥夢を守りきることは出来なかっただろう。


軽率だった。


「責めてないのよ。
嬉しいの、マツさんが遥夢様を大切な思ってくれているのは私にも伝わっているわ。」


唇を噛んで俯く俺に掛けられたのは優しい言葉で、


「けど、軽率でした。」

ホッとしたけれど俺は謝罪と反省を口にした。