俯いている遥夢の顎に指を這わせ持ち上げると愛くるしい顔が瞳に映った。
潤んだ瞳も桜色の唇も白く滑らかな肌も全てが美しく、俺は彰人の存在を忘れて遥夢が欲しいと思った。
「じゃ、遠慮なく俺のものにする。」
だから自然と口から出た言葉に俺自身驚いた。
俺は遥夢が欲しい。
急に動き出した自身の心に戸惑い、だけど強く燃えるような熱を感じたんだ。
「俺と来るか?」
つぅか一緒に来いとばかりに、尋ねながらも遥夢を逃がさねぇとでもいうように腰に腕を回しで引き寄せた。
「俺はマツ。お前は?」
「は…遥夢…。」
戸惑いながらも俺の腕を振り払うこともなく俺に言葉を返す遥夢。
誰にも頼れず、ただ耐えるだけの日々を過ごしてきた遥夢を俺は救ってやりたいと思った。
彰人に頼まれたからではなく俺自身が遥夢の救いになりたいと心から思ったんだ。
ついてこいと言いながらもこの世界では何も持ってない、何も出来ない俺だけど遥夢の震える手を握ってしまった。
もう放せない。
そう感じたんだ。

