「桜のマカロン…。」


小さな呟きのような遥夢の言葉を聞いて、やはりこれを選んで正解だったと思った。


僅かだが遥夢に生気が戻ったような気がした。



「マカロン好きなのか?」


「幸せな時を思い出させてくれるの。」


「今は幸せじゃないって言い方だな。」


「幸せってよくわからないわ。
だけどマカロンには幸せがたくさんつまってるの。」


「なんだかわからねえけど食えよ。」


マカロンを見つめながら遥夢はふるふると頭を横に動かした。


痩せて痩けた頬。

魁夢に殴られたのか?

その痩けた頬の片方が僅かに腫れている。


所々、白いブラウスに滲む血液も痛々しい。


魁夢から受ける暴行が日に日にきつくなったとは聞いていたが目を覆いたくなるほど酷い遥夢の姿に俺の胸がズキズキと痛んだ。