話かけると虚ろな瞳で俺に応える遥夢。
だけどその瞳に俺は映っているのか?
お前の瞳にはいったい何が映ってるんだ?
「危ないから家に帰るんだ。」
酷な事を言ってるのはわかっている。
だけど全てを拒否するような無感情を思わせる遥夢の気を引きたくて敢えて酷な事を口にした。
俺の言葉に遥夢はふるふると力無く首を横に振って反応する。
「本当に帰りたくないのか?」
こくりと頷く遥夢。
その姿は全てを諦めてしまったかのように無気力で息をしているだけの人形のようだった。
遥夢の前に跪いて膝の上でぎゅっと握られた手を掴むと遥夢はぴくりと小さく肩を跳ねさせた。
遥夢の為に買った、たった一つのマカロン。
拳になって結ばれている指をゆっくりとほどいてやった。
そして開かれた掌にピンクのマカロンを乗せてやったんだ。

