遥夢を見守りながら彰人の母親に逢うようになって数ヶ月たったある日。
「遥夢様が屋敷を飛び出してしまったの。」
携帯に連絡が入り、俺は遥夢を捜すために街に出た。
彰人と一緒に働いた食堂の仕事は続けていた。
「マスター、悪ィ…
ちょっと出てくる。」
「おぅよ。気ィつけろよ。」
勝手な俺を責めることなく送り出してくれるマスターに申し訳ない気持ちを感じながら俺は店を出た。
「潮時かもしれねぇな。」
彰人が春香の屋敷に移ってからというもの俺はまともに仕事が出来なくなっていた。
寝る間も惜しんで働く彰人を見るに見かねて俺も結局彰人の仕事を手伝っている。
もちろん表立ってというわけではなく、温室の管理という形で屋敷に雇われていた。
そしに最優先するべきは遥夢。
夜の忙しい時間帯だけでも手伝いたいと時間をやりくりしてきたが限界だった。
それに遥夢も限界なのだろう。
逃げ出すなんて余程の事があったのか?
血の繋がらない兄弟とはいえ魁夢の遥夢への暴力は日に日に酷くなっていた。
彰人の母親ももうギリギリの状態で…
遥夢が逃げ出したのは全員が八方塞がりな状態の時だったんだ。

