遥夢ってのは親を亡くしてから血の繋がらない兄に虐げられて生活してる。
いつか逃がしてやりたいと思い、彰人の母親は使用人としてとどまりチャンスを伺っている。
「その手伝いを俺にしろって事なんだな?」
「あぁ。」
「私と彰人は夜、今みたいに毎日ここで遥夢様の近況を伝えるために逢ってました。」
「それも俺が?
つぅか、深夜いつも出掛けるのは女じゃなかったんだな。」
「お前と一緒にするな!」
「あ゛?」
「マツさん、お願いします。
私一人の力ではいざという時遥夢様を守ることが出来ません。」
「……………。」
彰人やお袋さんの気持ちは俺に伝わった。
痛いほど感じた。
遥夢って幸せだな。
俺の世界にも彰人やお袋さんみたいに俺を思ってくれてる奴はいるのか?
俺が姿を消して、心配してる奴はいるのか?
「マツ?」
「マツさん?」
親子二人でそんな縋るような目で見ないでくれ。
俺はお前らが頼るような男じゃねぇよ。
自分の世界から逃げてきたような男なんだ。
責任から逃げ出した男なんだ。

