「うぉッ!でけぇー。」


「声を出すな!」


公園から移動して、目の前にはでっけぇ屋敷がそびえ立つ。


「どこから入るんだ?」


厳重な警備って言ってたわりには、誰もいねぇし…

入り込むのは、そんなに難しいのか?


「裏口がある。」


スパイ映画みたいに警備員を眠らせて潜入するとか想像を巡らせていた俺としてはガッカリな展開だが…


「油断は禁物だ!」


自分に言い聞かせるように言葉を落とした。


「お前単純で助かるわ…。」


すっかりスパイモードの俺の耳に彰人の言葉は聞こえてなかった。


だから裏口を普通に開けて入る彰人の行動に俺は面食らった。


潜入っつってたよな?

鍵かかってねぇの?

警備員は?

眠らせるんじゃねぇのかよ…。


「行くぞ。」


声のトーンは落としてはいるものの裏口から普通に敷地内に足を踏み入れるその行動に俺は困惑しながら彰人の後を追った。


目立たねぇように黒の服に着替えてきたのに意味あったのか?


残念な気持ちになったのは彰人に知られたくねぇと心の中で呟きながら、彰人の背中を追いかけたんだ。