彰人に連れてこられたのは小さな、決して綺麗とは言えないレストランだった。


「マスター、腹減った。」


「お前また喧嘩したのか?」


彰人にマスターと呼ばれる男も瞳の色は黒かった。


異世界では黒い瞳が当たり前だというのは本当のようだ。


「コイツにも何か食わせてやってくれ。」


彰人の後ろに立ったまま黙って2人のやりとりを聞いていた俺にマスターと呼ばれた男が視線を向けた。


「こりゃいい男じゃないか!彰人の友達か?」


「いや、拾った。」


「はぁ?」


「公園で拾ったんだよ。
ここに俺と一緒でいいから置いてやってくれないか?」


「店の手伝いは?」


「させたきゃさせろよ。」


「いい男看板は大歓迎だ。」