「想い合ってる者を引き裂くような掟なんて破ればいい。」


守るべき者を諦めてまで何故じじいは掟を守ったんだ?


俺には理解できねぇ。


「愛する人を苦しめないための苦渋の選択でした。」


「あ゛?」


「時の流れが関係しているのです。
異世界はここよりも時間の進みが早いようで、それを埋めるためにはこの国を統治し、時間の流れを変える必要がありました。
それは統治者にのみ与えられる力。
10代目マーフィー様がその事を知ったのは異世界から帰られてからだったんです。」


苦しそうな表情のデュランに事の重大さがよみ取れる。


時を操る力、それを与えられるのは統治者のみ。
だから後継者として確立していなければ駄目なのか…。


時の流れが異世界は早いということは、異世界の人間はここでは長く生きられない。

早く年をとり、早くに死んでしまう。


だからか?

だからじじいは統治に力を注いで、その人の命を守ったのか?


「けど、どうして統治したのにじじいとその女は一緒にならなかったんだ?」


実際にじじいはこの国を一つに纏めたじゃねぇか。


だったらめでたしめでたしで話は終わるもんじゃねぇの?


「マーフィー様はご自分が統治し終わるまでその女性を封印したのです。」


「封印をとけばいいだけだろ?」


「それだけではなかったのです。」