その日から俺の世界は変わった。

遊び友達であり、親友のディアスの父親デュランが俺の後見人となり常に俺の側を離れない。

元々あまり丈夫でない母親は心労のためベッドの上だけが彼女の世界になった。

そして、俺は弟を後継者と望む者達から何度も命を狙われた。


影で生きることを悲しんだことなど一度もない。

それどころか、俺は自由に生きることの出来る影を楽しんでいた。


「お前を後継者に…」


親父の言葉が俺の世界を変えたんだ。


「兄様、これ以上逆らわないで!
父様…父上は本気です。僕の事を気にしているなら、それは間違ってる!」


優しいマーフィー。
お前こそが後継者に相応しい人間なんだ。


「母上は僕が必ず説得します。
だから父上に逆らわないで下さい。」


優しいだけでは国を治めることなど出来ないというのが親父の口癖だった。

だから俺は影にまわって、この優しい弟を支えていこうと思ってたんだ。

国の中心は弟の優しさで、外の見えない場所を俺の力で治める事で均整は保たれると信じていた。

それに、何より…

血なまぐさい争いを弟に見せたくないと思っていたんだ。


「マーフィー、すまない。
俺は生き方を変えるつもりはない。」


俺の言葉に傷ついた表情のマーフィーに背を向け、その日から俺は極力マーフィーとの関わり持たないと決めたんだ。