デリーの声が響いた後、放たれた光が俺に真っ直ぐ向かってくる。


「上等じゃねぇか」


俺も自身の掌から力を放出した。


俺とデリーの間でぶつかり合う2つの光は互いに譲らず押せば押し戻され、勝負がつかない。


さすがに力を使いすぎたのかもしれない。


遥夢をこの世界に連れてくる前に切り落とされた首から今も血が滴り落ちている。


長引くのは不利だ。

かといって力加減を間違えればデリーに怪我をさせてしまう。


「先に謝っておくけどよ、怪我させちまったらごめんな。」


俺は言葉を掛けてから一か八かで力の放出を強めた。