マツは私を抱いたまま壁の黒いシミの前で一旦立ち止まり体の向きをクルリと反転させた。
そして動きが止まったままの男達に掌を向けたんだ。
一瞬目が眩むほどの光に包まれた後かざした掌で閉じてしまった私の瞼に掌をあてたんだ。
「驚くなよ?
すぐに見えるようになるから…。」
「ん…ふ…」
言い終わると声を出そうとする私の唇を塞ぐようにキスをした後マツは私の体を床に丁寧におろしたんだ。
かたく閉じられた瞼。
フワリと何かに包まれるような暖かさを体に感じた。
「このバケモノが!!」
男達の叫び声とともに響きわたる銃声音。
様子が気になって瞼に力を入れてもまるで私の意志とは反対に開こうとしなかったんだ。
「マツ!
そばにいるの?
ねぇ?
マツ?返事して!!」
」
せめて声だけでも聞きたくて私は必死にマツに呼びかけた。

