「わかったら早く出て行きなさい。」


この場所に少しでもとどまって欲しくない、だから声を荒げて叫んだ。


「だとよ、竜一どうすんだ?」


「用が済みゃ、こんな生意気な女に興味はねぇし一緒にいるのも煩わしいだけだ。」


「いいんだな?」


「ああ。映像は全て消去出来たんだろう?」


「それは、完璧だ。」


「それならばここに用はない。行くぞマツ。」


竜一は私をチラリと横目で見てから背中を向けてドアに手を掛けた。


「俺はここに残る。」


竜一の背中に向けて話しかけるマツの言葉に竜一は驚いたように振り向き足を止めた。

そんな竜一にマツはニヤリいやらしい笑みを浮かべて口を開いた。


「蘭の飼育が本来の俺の仕事だ。
それは今も変わらない。」


「お前、本気で言ってるのか?」


「ああ、本気だ。
新しい棘だらけの薔薇も俺の手で立派な蘭に育ててやるよ。」