睨み合う私達の間に入るようにクスクスと笑い声を上げるマツ。
「あなたも竜一と一緒に出て行きなさい。
もう用は済んだのでしょう?」
「ああ、済んだ。」
真っ直ぐに私を見つめるマツの黒い瞳。
蘭の花を愛しそうに見つめていた頃と何も変わらないのに、
「映像をコピーしたロムさえ俺にくれたら、ここにもう用はない。」
彼は容赦ない言葉を私に投げてくる。
機械を操作して、証拠を残すために映像を移したロム。
彰人さんを助けるための希望。
どうしてコピーしたってわかったの?
どうしてロムの存在に気付いたの?
「そんなものないわ。」
私がコピーしたロムの事を言ってるわけじゃないのかもしれない。
「マツ、引き出しのロムは俺が全て始末した。」
「………。」
竜一の言葉に体の力が抜けるのを感じた。
だけど、マツの視線が私を突き刺すように向けられている。
気付かないで。
機械の映像を全て消去された今となってはロムだけが彰人さん達との繋がりなんだ。
お願い、このまま何もなかったかのように立ち去って。

