遠くを見つめながら話す仲村さん。
不良とお嬢様の恋なんてとてもロマンチックで...。
だけどきっと悲劇。
ぼんやりと考えていると私の頬を仲村さんの長くて細い指が滑った。
「なっ...なんですか?」
「あなたは本当にお嬢様に似ている。可愛らしい顔もすぐに赤く染まる頬も...。」
熱い仲村さんの視線。
だけど私を見ていない彼の視線。
私を通り越して仲村さんはお嬢様を見ているんだよね?
「話しの続きを聞きたいですか?」
仲村さんは私の髪をクルクルとその長い指で弄びながら話しかけてきた。
「はい、聞かせてください。二人の恋の話を...。」
熱かった。
仲村さんが触れている髪がとても熱かったんだ。
仲村さんに特別な感情を持っているわけじゃない。
だけど仲村さんの熱い視線が私の体を火照らせて彼に触れられる髪も熱を持っていた。
まるで彼と恋に落ちたお嬢様になったかのような錯覚をしてしまっていた。

