一方、
犬童高校から少し離れた道。
(田舎にある犬童高校の周りは田んぼと山ばかりなので、道と言っても野原のようなものだが)



帰路につく銀と夏木の耳にもその爆音は聞こえていた。


「何なん!!?今の音ッッ」

「わ、わっかんねぇ…!!でも、間違いなく学校から聞こえたよな!!」


夏木はなにか、
なんとも説明のつかない嫌な感じに襲われた。


(よくわかんねえけど…)


銀を遠くへ連れてかないと、とりかえしのつかないことになる気がする…


しかし銀は学校の方向へ走りはじめた。


「おい銀ッッ!!」

「何しとん夏木!はよ学校戻んで!」

「駄目だ!!お前は俺と帰るんだ」

「あほか!!?まだ遠介も繁もウガちゃんもっ…みんなになんかあったらウチ嫌や!!」

「とにかく駄目だ!
それに銀が言ったってなんもならねーだろ」

「うっさい!!もうええ!!ウチ一人で行く」


行ってしまった…


「銀…」


残された夏木は、
ただ一人その場に立ちつくすしかなかった。